「財界九州」11月号に掲載されました 「財界九州」11月(No.1106) P27

福岡市の起業シーンの象徴的存在となっている「スタートアップカフェ」の取り組みについて、弊社の事例が「財界九州」11月号にて掲載されました。

財界九州_2016年11月号_ikkai

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外国人の起業も規制緩和広がる「福岡市のモデル」

スタートアップカフェは起業に向けての拠点となっているが、福岡市の起業支援はこれにとどまらない。
企業と技術をマッチングする「スタートアップ・セレクション」や企業と人材をマッチングする「スタートアップ人材マッチングセンター」など、次々に新たな事業を立ち上げている。
中でも特徴的なのが、外国人の起業を後押しする「スタートアップビザ」。通常、日本で外国人が起業するためには事務所開設に加えて常勤2人以上の雇用か、資本金出資額500万円以上といった要件が必要だ、しかし、この要件が外国人の起業のハードルとなっている。そこで要件が整ってなくても、事業計画などを申請すれば、6カ月その要件を満たすことが猶予され、賃料などが補助される制度を福岡市がスタートさせたそれがスタートアップビザだ。

この制度を利用し、起業したのがフランス人のトマ・ポプランさんとヤスミン・ジュディさん。2人は西南学院大学で留学を経験し、福岡市で起業した。その際、スタートアップビザを知り、ことし1月に第1号案件として創業活動確認証明書を交付された。ポプランさんは「この制度は素晴らしい。期間が延長されることはもちろん、市から賃料の補助を受けられることは起業家にとっては非常にありがたい」と絶賛した。

2人が立ち上げた会社名はikkai(イッカイ)。
スマートフォンを通じて「1回限り」の仕事を企業と学生の間でマッチングするサービスを展開している。依頼する仕事は法的、倫理的に違反していなければ基本的に自由で、翻訳サービスやプログラミングなどスキルが必要なものから、犬の散歩や部屋の掃除などの簡単なものまで受け付ける。仕事を依頼する企業や個人、仕事が欲しい学生双方に登録してもらい、依頼者側が募集した仕事に対して、学生側が応募する形をとる。依頼者側は応募のあった学生から選ぶことができる。ikkaiは仲介料を仕事の依頼者側から徴収することで収益を得ている。

開業から6カ月で同社のウェブサイトに登録している仕事の依頼者は50件、学生は約500人に上る。利用した依頼者、学生の約80%が再登録しており、評価は上々のようだ。

同社が「1回限り」の仕事にこだわった理由は主に三つある。一つは学生のスケジュールに合わせた仕事を紹介したいということが事業開始の動機であること。二つ目が通常のアルバイト紹介では大手の競合他社が多く存在すること。三つ目は基本的な理念として、個人間で行われる仕事が依頼を手伝う「シェアリングエコノミー」の概念にのっとっていることである。
「当社が福岡で創業した理由の一つはシェアリングエコノミーの概念が薄いと感じたから。1回限りの分野にビジネスチャンスがあると考えた」(ポプランさん)。

同社は福岡での活動を拠点としながら、日本市場全体への浸透を目指しており、さらにはアジア進出も目標としている。このアジア進出も立地的に近い福岡での創業の理由となった。
「将来的には当社の事業に価値を感じた大手への売却も視野に入れてはいるが、私達はこの会社にずっと携わっていくつもりだ」(ポプランさん)。

「1回限りの仕事」という新たな概念によるビジネスを福岡発で広げていきたい考えだ。

――「財界九州」11月号 27ページより。